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[動画] タコとハリセンボンの死闘 はてなブックマーク - [動画] タコとハリセンボンの死闘


 動物界の中で、タコは洗練された捕食者と言われる。一方、フグについては、そうした評価をきかない。ところが、最近撮影されたタコとフグの動画を見ると、タコとフグは互角に渡り合う相手のように思えてくる。
 2018年11月初旬、セイシェル、フレガット島沖のサンゴ礁でダイビングをしていたクリス・テイラー氏とキャリー・ミラー氏は、ワモンダコとフグの仲間であるハリセンボンを見つけた。両者は必死に戦いながらも、膠着状態に陥っているようだった。その様子をとらえたのが、上の動画だ。
 タコはフグをがっしりとつかみ、サンゴ礁の割れ目に引きずり込もうとしている。二人が見ている前で、タコは数分間、相手を自分がいる穴に引き込もうとがんばっていたが、フグは膨らんで抵抗し、まったく動く様子を見せない。
 タコは、フグが岩の隙間よりもずっと大きいことに気付いたのか、やり方を変えた。サンゴの下からフグのもとに出てくると、今度は力強い腕を広げて膨らんだ魚をトゲごと包み込む。2匹はその状態で15分近く格闘したが、どちらも降参する様子は見せなかった。
 この戦いの結果を、テイラー氏とミラー氏は知らない。というのも、勝者が決まる前に、浮上しなければならなかったからだ。そこで、ナショジオは、科学者にタコとフグの戦いの結果を予想してもらうことにした。

■タコは熟練の捕食者
 まずは、昼行性であることから「昼のタコ」とも呼ばれるワモンダコについて、米マサチューセッツ州ウッズホール海洋生物学研究所の研究主幹、ロジャー・ハンロン氏に聞いた。(参考記事:「2016年11月号 きっと驚く タコの不思議」)
「ワモンダコは自分自身と同じ大きさの相手を捕食することができます。腕とその間の膜を伸ばすことで、口を非常に大きく開くことができるのです」とハンロン氏はタコの戦略を説明する。
 ワモンダコは、カニ、イガイ、無脊椎動物などを食べるが、ときおりサンゴ礁に棲む魚や頭足類も獲物にすることがあるという。
 タコが動きの早い獲物を狙う場合、独特の戦略を用いる。まずは腕の下側に並んだ高性能の吸盤を使って獲物を捕まえ、逃げられなくする。次にタコは、獲物を口へと引き寄せ、オウムのようなくちばしで一口大に切り刻むのだ。相手が暴れるようなら、後唾腺に隠された麻痺を引き起こす「毒」を相手に注入することもある。
「こうした食べ方をする動物は、あまりいないのです」とハンロン氏。「タコは、この能力があるからこそ、小さな生き物から大きなものまで食べることができます」
 ハンロン氏は、動画のタコはおそらくハリセンボンを食べることができただろうと考えているが、ハリセンボンがなぜ狙われたのか、その理由に関してはわからないという。「タコが進んで、毒のありそうな魚を選ぶなんて、その理由については私も興味がありますね」
 フグの仲間の多くは内臓にテトロドトキシンという神経毒を持つことで知られている。テトロドトキシンはシアン化物の1200倍以上の毒性がある。1匹のフグには、成人30人を殺害できるほどのテトロドトキシンが含まれ、解毒剤はない。非常に危険な毒なのだ。ちなみにハリセンボンも、種類や地域によって卵巣に毒をもつものがいるという。
 テトロドトキシンは人間には有害だが、タコにどう影響するかはわかっていない。ハンロン氏は、このタコは毒に免疫があるか、そもそもフグの仲間が毒を持つ危険性を知らないのではないかと語る。

■トゲで身を守れるのか?
 タコにフグの毒に対する免疫があったとしても、タコは鋭いトゲに覆われた相手を食べられるのだろうか?
 ハンロン氏によると、ハリセンボンのトゲはタコに対してほとんど防御の役割を果たさないと話す。骨のない筋肉質のタコの腕は、非常に柔らかくてよく伸びる。だから、もっと鋭いものを包んでも皮膚が破れることは、まずないのだそうだ。(参考記事:「生きるために膨らむ動物たち」)
 いずれにしても、このタコが手ごわい相手を、なぜ狙ったのかの謎は残る。獲物が少なかったのだろうか?
どちらが勝ったのかわかりませんと、動画を撮影したミラー氏も話す。
 この映像と似たフグとタコが対決する動画がネットに投稿されているが、どれも結末が分からないまま映像は終わっている。
 本格的な研究がなされるまで、この珍しい戦いの結末は想像を巡らせるほかなさそうだ。
via https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/112800517/
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