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米中ロ「新大国時代」高まる摩擦 現代史の転換期【2016年国際展望】 (by 六辻彰二) はてなブックマーク - 米中ロ「新大国時代」高まる摩擦 現代史の転換期【2016年国際展望】 (by 六辻彰二)

 2015年を振り返ると、そこには国際秩序の変動がうかがわれる出来事が相次ぎました。その中で、米国のリーダーシップが精彩を欠くシーンが増えるとともに、中国やロシアの勢力がこれまでになく大きくなりつつあります。
 唯一の超大国としての米国の勢力に陰りが見え始めた状況は、大国間の摩擦や反目によってさらに鮮明になってきており、この傾向は今年もさらに増えることが見込まれます。大国が勢力圏や影響力を競うなかで、国際秩序がますます流動化するとみられるのです。

●ロシアの復権
ウクライナをめぐる対立やシリア空爆参入など国際政治の中で存在感を高めるロシア(Kremlin/SPUTNIK/ロイター/アフロ)
 1989年の冷戦終結後、米国を中心とする秩序が形成されてきました。1991年にソ連が崩壊し、市場経済と民主主義がグローバルスタンダードとなるなか、その潮流の中心に位置していたのは米国でした。経済力と軍事力はもちろん、科学技術開発や情報発信力など、多くの面で米国は他の国を大きく上回り、現在もそれは基本的に変わりません。
 しかし、2015年に限っても、米国がそのリーダーシップを十分に発揮できないことが目立ちました。ウクライナ危機は、その典型でした。
 ウクライナの東部ドネツクで、分離独立を叫ぶ住民がウクライナ政府と衝突を繰り返すなか、ロシア政府は物心両面で親ロシア派民兵を支援。隣接するウクライナがEU圏内に取り込まれることを阻止するため、軍事力まで用いるロシアに対して、米国はこれを非難したものの、実際に用いた手段は経済制裁の強化にとどめました。
 ウクライナをめぐって米軍が動けば、米ロ対決が避けられません。ロシアが米国に並ぶ核戦力を備えていることを考えれば、それは引いては共倒れの危険が現実になりかねないことを意味しており、この状況が米国を押しとどめたといえます。その意味で、米国政府の判断は理性的でしたが、他方でなりふり構わないロシアに押し切られたことも確かです。

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 ロシアは9月末からシリアで、過激派組織「イスラム国」(IS)だけでなく、シリア政府軍と衝突を重ねる世俗派の反アサド勢力にも空爆を行っていますが、この場合も「どさくさに紛れて」自らの勢力圏を死守しようとするロシアに対して、米国は有効な手立てを打つことができていません。
 2001年から対テロ戦争が常態化し、米国民の間の厭戦ムードと財政赤字が大きくなったことを背景に、2008年に就任したオバマ大統領は、米軍の海外活動をできるだけ縮小する方向に舵を切ってきました。これによって米国の一国主義がトーンダウンした一方、冷戦終結以降、東欧諸国のNATO、EU加盟によって西欧との「境界線」が東方に移動することに警戒感を募らせていたロシアの復権が促されたといえるでしょう。
 2016年は米国の大統領選挙の年です。その結果はフタを開けてみなければ分かりませんが、民主党のクリントン候補の優勢が伝えられています。クリントン候補は空爆以上の関与をシリアで行うことに消極的で、クリントン政権が誕生した場合、中東をめぐる対立はロシアにとって有利な状況が続くことを意味するのです。

●台頭が加速する中国
AIIBの設立や南シナ海での活動活発化など経済と軍事両面で台頭する中国(代表撮影/ロイター/アフロ )
 ロシアが主に軍事的な領域で米国に対する挑戦国としての立ち位置を明確にしてきた一方、中国は特に経済的な領域で台頭してきましたが、近年では軍事的な領域でも米国と対決姿勢を隠さなくなってきました。
 このうち、まず経済面での対立をあげると、12月25日のAIIB(アジアインフラ投資銀行)の正式発足が挙げられます。これはアジア各国向けに融資を行う金融機関ですが、業務内容は米国が大きな影響力を持ってきたIMF(国際通貨基金)や世界銀行、そして日本が最大の出資国であるADB(アジア開発銀行)と競合するものです。つまり、AIIBの創設には、米国中心の国際金融秩序を突き崩す側面があるのです。
 AIIBだけでなく、中国は2014年7月に、ロシア、インド、ブラジル、南アフリカとともに、新開発銀行の設立に合意しています。新開発銀行は、いわばAIIBのグローバル版で、これもやはり米国の、融資を通じた各国(主に開発途上国だが、最近ではギリシャなどEU諸国を含む)への影響力に対抗するものです。
 中国の主導による国際金融機関の創設は、西側内部のバランスにも影響を及ぼしています。AIIBのオリジナルメンバー57か国には、英仏独など15か国のEU加盟国 の他、オーストラリア、ニュージーランド、ノルウェー、スイスなどほとんどの西側先進国も含まれます。これははからずも、これら各国と日米の間に、中国に対する認識に差があることを浮き彫りにしたといえます。
 その一方で、中国は特に海洋において、軍事的な進出も目立っています。例えば、中国はフィリピンやベトナムとの間で、南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島の領有をめぐって対立していますが、2013年にはこれらのうち中国が実効支配する岩礁で埋め立て工事が行われていることが発覚。中国政府は、これらの人工島を自国の領土として、これらから12カイリの海域を「領海」と位置付けているため、これが国際海域の「航行の自由」を妨げると主張する米国との摩擦が大きくなりました。
 2015年5月31日、中国の孫建国・副総参謀長は米国からの埋め立て工事中止要請を拒絶したうえで、これが「主権にのっとったもの」と強調し、さらに人工島の利用に「軍事防衛の目的」も含まれると明言。これに対して、10月27日に米海軍のイージス艦が問題の海域で哨戒活動を行い、そこが国際海域であることを改めて確認しました。

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 中国が海洋進出を加速させる背景には、経済発展によって高まるエネルギー需要を満たすために 海底資源を確保する目的とともに、中国船舶の警備もあります。中国政府は2014年11月、ユーラシア大陸を横断する経済圏「一路一帯」構想を発表。今後とも、経済活動と連動した軍事的な海上進出は加速するものとみられます。それにともない、ユーラシア大陸南岸は、米中の海洋覇権をめぐる対立の舞台として、ますますクローズアップされるものと見込まれるのです。

●米国の巻き返し
 ロシアの復権と中国の台頭の加速に直面して、米国も巻き返しを図っています。
 このうち、まずロシアについて。米国はウクライナ情勢をめぐる対ロシア経済制裁を未だ解除していませんが、シリア情勢をめぐっても、ロシアがアサド政権の存続のための既成事実を作り始めているのに対して、あくまでアサド政権を容認しない姿勢を崩していません。
 EU各国のなかには、ウクライナ情勢やシリア情勢をめぐって、ロシアとの妥協を図る動きが活発です。これと対照的に、米国がロシアに対して強硬な姿勢を崩さない背景には、これまでの姿勢を簡単に転換することで、ますますロシアのペースになることへの警戒があります。
 このようにロシアへの強硬な姿勢を維持する一方、米国はロシアのアキレス腱ともいえるエネルギー経済に揺さぶりをかけています。2015年12月18日、米国は40年ぶりに原油を輸出することを発表。2014年半ばから値下がりし続けていた国際的な原油価格は、米国から大量のシェールオイルが輸出されることによって、さらに下落するとみられます。
 これは原油輸出を大きな資金源としているISだけでなく、やはり天然ガス輸出が経済の生命線であるロシアにとっても、大きな痛手になります。短期的な採算を犠牲にしてまで原油価格をさらに引き下げることは、米国にとって、ロシアへのからめ手ともいえるのです。
 その一方で、米国は中国に対しても、その台頭を警戒する姿勢を隠しません。オバマ大統領は2011年、安全保障政策の重点を、それまでの対テロ戦争からアジアに移すことを表明しました(リバランス)。その方針は、中国の海洋進出を主に念頭に置いたものです。
 大統領選挙の予備選で、クリントン候補は中国への警戒感を隠しておらず、仮にクリントン候補が大統領選挙で勝利した場合、リバランスの方針は大きく変化しないとみられるのです。
 米国は安全保障分野だけでなく、経済分野でも、台頭する中国への対策を構築し始めています。2015年10月5日に大筋合意に達したTPP(環太平洋パートナーシップ協定)は、それが実現すれば、世界全体のGDPの約40パーセントを占める巨大市場が誕生することになります。その域内で自由貿易が進むことは、域外の各国にとって結果的に不利になります。言い換えると、中国が参入していない状況で、将来の巨大市場における貿易ルール作りが米国主導で進められたことは、世界中で市場を開拓し続ける中国にブレーキをかける効果があるといえます。

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●分断される勢力圏
 こうしてみたとき、ロシアの復権と中国の台頭の加速は、米国のリーダーシップの衰えによって促された一方、その結果として、米国にあらゆる手段を用いて、その覇権を握らせようとする動機づけを与えたといえます。中国やロシアを排したTPP交渉の妥結は、その象徴です。
 冷戦終結後、グローバル化のなかで世界は一つの市場になりました。さらに、国家間の問題をルールで処理するための仕組みも整えられてきました。
 しかし、グローバルな市場経済化が過剰競争をもたらしただけでなく、2008年の発生した世界金融危機の後遺症も手伝って、主だった大国は自らの勢力圏を確保する方向に舵を切りつつあります。
 とりわけ、国境を超えた投資や貿易の増加が、中国の爆発的な経済成長や、天然ガス輸出を通じたロシアの復権を促すなど、グローバル化が中ロに力を蓄えさせる結果になったこともあって、これまでグローバル化を先導してきた米国自身の「利益確保」への方針転換が顕著です。TPP交渉の主導に加えて、2015年12月19日、世界全体での自由貿易のルール化を進めてきたWTOドーハ・ラウンドが、先進国なかでも米国の強い反対によって、次回開催を決めないままに閉幕したことは、これを象徴します。

 これらに鑑みたとき、米中ロの間で大きくなる摩擦は、冷戦終結後の現代史の大きな転換期を映し出しているといえるでしょう。
via http://thepage.jp/detail/20160101-00000002-wordleaf
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