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"人口4300万人"ああニッポン30年後の現実 はてなブックマーク -

■すでにほぼ全業種で人手不足に
日本列島から人間の姿が消えようとしている—。加速度的に人口が激減していく社会がやってきたことを、ついに政府も財界も、認めざるを得ない状況になってきた。それほどまでに激変の波は、眼前まで迫っているのだ。
右のグラフを見てほしい。これは国立社会保障・人口問題研究所が発表した将来推計人口だ。これによると2050年頃に日本の総人口は1億人の大台を割り込む。さらに'82年になると、総人口はピーク時の半分に。2110年に至っては、総人口約4300万人と、ほぼ現在の1都6県(東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、群馬、栃木)の人口と同じになってしまう。
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これはつまり、1都6県に現在と同じだけ人がいれば、日本の他の場所には人っ子一人いない状態になることを意味する。
だがそんな100年後に思いをいたさずとも、人口減少の影響は、この2014年にしてすでに、私たちの生活を蝕みはじめている。
もっとも身近な例は、牛丼チェーン「すき家」の窮状だ。全国約2000店舗のうち184店舗の一時閉店を余儀なくされ、灯りの消えた店舗が各地に続出した。「仕事がきつい割に時給が安い」という情報が若者の間で広がり、アルバイトの人員が確保できなくなったためだ。
再び上のグラフを見てみると、「働く世代」とされる15歳以上65歳未満の、いわゆる生産年齢人口は、1995年のピークから急速に下降し、すでに1000万人近く減っている。若いアルバイトも完全に「売り手市場」に転じ、旨味のない仕事とみなされれば、人手はすぐに不足する。
2020年東京オリンピックまでには約1400万人減と、東京都の人口がまるまる消えるのと同じだけ働き手の数は減る。外食チェーンやコンビニに限らず、すでにさまざまな業界が人口減少に苦しんでいる。
たとえば、味の素は自社製品の流通の主体を、'16年度にトラックから鉄道や船による輸送に切り替えると発表。トラック運転手が高齢化・減少して人手が確保できないからだ。看護師や介護ヘルパーなど医療・福祉の分野でも人手不足は常態化している。ありとあらゆる分野で「人がいない」ことが顕在化してきた。
なぜこんなことになったのか。実はその責任の一端が、国にもあることをご存知だろうか。政府はかつて国策で人口減少を誘導したが、それを止める方法を考えていなかったのだ。

■子供が減るのは当たり前
歴史人口学が専門の鬼頭宏・上智大学教授は語る。
「1972年に『成長の限界』という有名なレポートが出され、世界的に資源問題と人口爆発が注目されました。その潮流に乗り、2年後の昭和49(1974)年に政府は人口白書で『出生率を4%下げれば昭和85年までに人口は減少に転じる』と発表したのです。
さらに国会議員や財界人が集まった『日本人口会議』で、『子供は2人まで』とした宣言が採択され、人工中絶や避妊用ピルの公認を求めるなど産児制限の取り組みもなされていった。先ほどの昭和85年と言えば、2010年ですから、人口減少は見事に成功したわけですが、減少の勢いが止まらなかった」
こうした社会運動の結果、私たちの意識のなかには、「結婚して子供を2人産めば日本は大丈夫」というイメージが定着してきた。だが、ここに「ゼロ・イチ・ニの法則」と呼ぶべき落とし穴がある。子供が必要だ必要だと喧伝される昨今、女性は自分の子供が0人だと、大変なプレッシャーを感じる。1人生まれて少し安心し、家計が許すなら2人と考える。しかし、2人生まれると、「もう義務は果たしたよね」と考える女性が圧倒的になるというのだ。
だが、これは間違いだ。人口を増加も減少もしないように安定させるには、女性が「平均で2・07人の子供」を産む必要がある。多くの女性が2人で安心してしまうと、平均値は2を超えず、結局は人口が減少してしまう。子供の数を「ゼロかイチかニ」と認識している限り、人口減少は絶対に止まらない。
人口問題の専門家で、人口減少社会の到来に備えよと早くから警告を発してきた政策研究大学院大学の松谷明彦名誉教授は、
「10年のうちには、さらに多くの人がはっきりと変化を感じるようになるだろう」と指摘する。
「戦後の産児制限は、団塊の世代の直後、いまの62歳以下の人口を急減させました。そのため、これからリタイアする団塊の世代以上の高齢者を支える現役世代の人数が急減してしまい、世界でもまれにみる急速な高齢化を招きました。そのことが、社会保障の財源不足などを引き起こしている。
これから十数年のうちには、年金積立金も枯渇するでしょう。私は過去に『このままでは'09年までに枯渇するから大胆な改革をすべきだ』と発言した。それもあってか、政府は'07年に年金改革をやりましたが、あの程度の改革では不十分で、近い将来再び危機に陥るのは明らかだった。今後も支給開始年齢を引き上げるなどして延命を図るでしょうが、小手先の改革では早晩、完全にアウトとなる」(松谷氏)
その言葉通り、というべきか。厚生労働省は3日、公的年金財政の検証結果を公表した。そこでは、100年後にも年金の給付額を、現在と同水準の「現役時代の収入の50%以上」に維持するための方策が検討された。だがその内容は、「基礎年金加入者が65歳まで保険料を支払う」案や「パート労働者にまで広く厚生年金の支払いを求める」案など。結局のところ、年金を払う現役世代の負担増、年金を受け取る人数の削減だ。
正直に「年金はもたない」と表明もせず、国民的な議論が成立するわけがない。
崩壊・消滅の危機に瀕しているのは年金ばかりではない。元岩手県知事・元総務大臣で野村総研顧問の増田寛也氏が座長を務める日本創成会議・人口減少問題検討分科会は、2040年までに「消滅の危機」に瀕する市町村が896にものぼるとの衝撃的な発表を行った。増田氏はこう話す。
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「少子化対策は政府もこれまでいろいろとやってきましたが、期待された効果はあらわれていない。そもそも、子供を産める年齢の女性が減っているからです」
増田氏らが独自に算出したのは、出産する女性の約95%を占めるとされる、20~39歳の若年女性の市町村ごとの人口減少だ。日本全体で見た場合にも、上のグラフのように若年女性の人口は今後急減していく。
増田氏らは、若年女性の減少率が'10年比で50%を超え、人口が1万人を切る市町村を、人口が回復する見込みの極めて低い消滅危機市町村と分類。その結果、全国の29・1%が該当した。

■経済は大転換を迫られる
東京23区でも、なんと豊島区が減少率50・8%と危険水域に。つづいて足立区44・6%、杉並区43・5%と高水準になっている。
「これまでは出生率に注目した議論が行われてきましたが、実は出生率はここ数年、'05年の1・26を底に、1・43まで回復してきている。ところが、実際に生まれる子供の数は、出生率を母親の数にかけたものですから、母親となる若年女性が激減している状況では、子供の数は増えることがないのです」(増田氏)
しかも、ここ数年で出生率があがったのは、1974年前後に生まれた団塊ジュニアの世代の女性が40歳を迎え、いまのうちに子供を産んでおこうという「駆け込み出産」が増えたためともされ、ブームが終われば出生数はさらに急減すると考えられる。
増田氏らの研究チームに参加した明治大学政治経済学部の加藤久和教授は、貴重な若年層が東京に集中していくことが負の連鎖を加速すると指摘する。
「そもそも、東京の出生率は低いのです。若者は仕事を求めて東京に集まるけれど、そこでは子供が生まれない。住環境が悪く、待機児童が多かったりして育児と仕事が両立しない。子育てを手助けする地域のコミュニティもない。一方で、若者には結婚するより楽しみがたくさんあって、自分の人生を楽しみたい、となってしまう側面もある。
学校の統廃合はすでに全国的に進んでいますが、消滅の危機に瀕した自治体では、バスなどの交通機関も金融機関も立ち行かなくなる。病院もどんどん潰れ、道路などのインフラもボロボロになって修繕できない」
当然、地方公務員である消防士や警察官の給与も払えず、人数は大幅に削減せざるを得ない。
'10年度のデータでは、人口1万人あたりの警察官数がもっとも多いのは東京都の35・5人だが、2位の京都府(26・7人)、3位の大阪府(25・9人)も高齢化は急速に進み、今後は劇的に警察官が不足する。
刑法犯認知件数が第1位の大阪で警察官が激減すれば、いよいよ無法地帯化することは想像に難くない。
また、京都では観光資源でもある寺社の跡継ぎ不足がすでに深刻だ。日本を代表する寺社が無人となり、警察官の見回りも不可能とあっては、残された文化財が根こそぎ奪われ、海外に売り払われて、不審者が棲みつく恐ろしげな場所になる事態も起こりかねない。
前出の松谷氏は、さらに今後10年で日本の経済構造も大転換を図らざるを得なくなると指摘する。
「戦後日本のビジネスモデルというのは、自動車でもコンピューターでもそうですが、欧米で発明された画期的な製品を、安い労働力を使って大量に安く作る、というものでした。かつては農村から工場へと若者を集め、低賃金で単純労働させた。その代わり終身雇用と年功序列を約束し、働きつづければ、いつかは待遇がよくなると納得させた。
やがて正社員の賃金水準が上昇すると、単純労働者の中心は非正規雇用の人々、途上国の労働者と移り変わっていったのです」
しかし、日本が欧米を追い上げたように、いまや新興国が低賃金を背景に日本を追い越してしまった。
失策を認めない政府と既存の産業構造を変えられない経済界。そのツケとして、日本はもうすぐ悲劇的な変化に襲われる。この国はどうなってしまうのか。
 via http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39658

■何もかもなくなる
「たとえば人口が3分の2に減少すれば、市場は同様に3分の2にスケールダウンする。そうなれば、人口減少に比例して日本の企業が次々に消えていくのは当然のことです」
富士通総研上席主任研究員の米山秀隆氏は、そう警鐘を鳴らす。
人口減少社会のなかで、仕事が消えてなくなる—。それには大別して2つのパターンがある。ひとつは働く人間がいなくなり、会社や組織が消えてしまうパターン。もうひとつは客がいなくなり、市場そのものが消滅してしまうパターンだ。これからの日本は、その双方の危機と否応なしに直面することになる。
すでに目先の問題として顕在化しているのは、前者のパターン、つまり人手不足の問題だ。
今年3月、大手外食チェーンのワタミが、従業員の手当てができず「和民」や「わたみん家」の60店舗を閉店することを発表したのは記憶に新しい。同様に、第1章でも触れたように、牛丼チェーンの「すき家」も人手不足が原因で休業が相次いでいる。これらの外食産業にとって、人口減少は避けがたい課題として重くのしかかることになるだろう。前出の米山氏はこう語る。
「これらの業種は、デフレ経済のもと、低賃金で労働力を確保することで成長してきました。そのやり方自体に限界がきている今、ただでさえ少なくなる働き手が、あえてその職を選ぶとは考えにくいですね」
デフレ経済下で安価な商品を提供することで成長してきた企業は数多い。「すき家」「吉野家」など牛丼チェーン以外にも、たとえば「100円マック」で一世を風靡したマクドナルドは、低価格競争からどう脱却していくかが課題となっている。
そして外食産業のみにとどまらず、デフレ競争の勝者とも言うべき存在のユニクロ(ファーストリテイリング)なども、これまでの低賃金を前提にした薄利多売商法では、早晩、行き詰まるおそれが出てきた。
また、人手不足が加速すれば、宅配をはじめとした運送サービスも存続の危機を迎えることになる。現在、運送業界でも労働力の不足は深刻な問題だ。宅配サービスの主な担い手はトラック運転手だが、全日本トラック協会によれば現時点でもドライバーの約7割が40歳以上。30年後、ドライバーは超高齢化し、激減することは容易に想像できる。人口問題に詳しい明治大学政治経済学部の加藤久和教授はこう語る。
「このまま人口減少が加速すれば、配達などの輸送サービスは間違いなくマヒすることになります。宅配を頼んでも運ぶ人がいないので、『そんなところまでは行けません』と言われてしまうケースも出てくるでしょう」
運送業が機能しなくなれば、今は成長産業に見えているネット通販も壊滅する。商品を受注しても、それを届ける人がいなくなるからだ。近い将来、日本の物流は回復不能に陥ってしまう。
危機はさらに、宅配のみならず、あらゆるサービスに波及していく。たとえばゴミ収集車などの稼働率はグンと下がり、家の前にはゴミ袋が山積みにされる。街全体が「ゴミ箱」と化してしまうのだ。緊急事態が起きても救急車や消防車が出動できないということにもなりかねない。そして、いざ病院にたどり着いても肝心の医者や看護師がおらず、治療を受けられずに取り返しのつかないことになるケースが増えていく。
道路や橋などのインフラを整備する人もいなくなり、街は荒廃の一途を辿ることになるだろう。やがて人生の最期を迎えたとき、近所には寺もなく、僧侶も葬儀業者もいないという状況に陥る。もはや人手不足でまともな葬式すらできない、そんな時代がやってくるのだ。
つまり、人手不足は社会の基礎を支える人材がいなくなるということを意味している。それを補う劇的な進歩、自動化、オートメーション化などの技術革新でもない限り、将来の日本は、日常生活を送ることすらままならない社会となってしまうのだ。

■どこにも逃げられない
働く人間がいなくなることで既存の職業がなくなってしまう一方、客もいなくなるため、市場ごと消滅するケースも頻発する。たとえば、スーパーや百貨店などの小売業は、人口減少による内需不振で苦境が深まる。今後主な購買層となるのが、若者に比べて消費活動が少ない高齢者であるからだ。いまや私たちの生活に欠かせない社会インフラになったコンビニですら淘汰されていくだろう。前出の加藤氏がこう語る。
「近年、国内の大型百貨店やスーパーは次々と閉鎖されています。一時期、自治体は競いあうように大型ショッピングモールを誘致しましたが、もうそんなことをしてもお客さんは来ません。また、小売業自体が衰退すれば、生活用品を買うために店に足を運んでも、モノ自体がないという事態になってしまう」
各自治体の人口が減れば、鉄道やバスなど公共交通機関を利用する人も激減する。そうなれば、各社は採算を合わせるために運行本数を減らさざるを得なくなってしまう。地方の路線は乗る客も、動かす運転手もいなくなり、軒並み廃線と化すだろう。ヘタをすれば、JRですら危ない。JR北海道をはじめ、ただでさえ赤字体質の地方JR各社が未来永劫生き残っている保証は、どこにもない。最終的には、誰も使わなくなった線路が放置され、忘れられたように荒廃していく風景が日本中に溢れることになる。
交通機関の問題は、地方のみに起こるものではない。3~5分間隔で運転されている東京の山手線ですら、将来的に人口が3分の1になれば15分に1本で十分になる。また、都内の地下鉄も今の数は必要なくなり、多くが廃線に追い込まれる。さらには地方に人がいなくなるWパンチで、ビジネス利用が多くを占める新幹線の本数も会社が激減するにつれて1時間に3本程度まで減るだろう。
「人口減少が解消されなければ、日本中のいたる地域で鉄道やバスの本数が減ります。一日に5本だったものが3本になり、1本になり、運行停止してしまう。このままでは買い物のために交通機関を利用したくても、移動すらできなくなります」(加藤氏)
また、少子化が進行するなかで、大学経営はいままで以上に苦境に立たされることになる。'09年に大学への入学希望総数が入学定員数を下回る「大学全入時代」に突入したが、国立大学の民営化が叫ばれる中、このままでは旧帝大として名を馳せる九州大学や東北大学など地方の名門大学が生き残るのは至難の業。もちろん、私立大学はほぼ全滅し、立教大学、明治大学などの六大学の一角を占める大学まで同じ状況に陥ってしまう。早稲田大学、慶応大学などは生き残るかもしれないが、競争相手の絶対数が少なくなるため、学力の低下は避けられない。東大でさえ、さほど勉強ができなくても入れる時代がやって来るだろう。
さらに人口減少は、保険産業にも暗い影を落とす。前出の米山氏は、こう語る。
「人がいなくなる社会では、保険加入者は当然減る一方です。生命保険も、加入者が減れば業務を縮小せざるを得なくなるでしょう。人口に占める高齢者の割合が増えれば死亡保険金や医療保険の支払いが急激に増える。一部の企業はそれを見越して株式会社化し、市場から集めた資金で海外企業を買収していますが、他の保険会社は目立った手をまだ打っていない。このまま人口減少がすすめば、いずれ生命保険会社も淘汰されるところが出てくるでしょう」
国によって強固に守られ、安泰と思われている大手金融機関すら存続が怪しいということだ。預けられたおカネを運用し、利ザヤを稼いでいる銀行も、預金者がいなくなれば手数料も入らず、途端に経営の危機を迎えることになる。
結局、経済とは人口の規模によって大きく左右される。人がいなくなれば、どんな産業、業種も壊滅的打撃を受けるほかないのだ。
「たとえば音楽などのコンテンツビジネスも、売り上げの大半を占めるJポップは若者が対象なので、顧客が減少する一方で、衰退は避けられません。演歌にしても、あまりに『日本的』であるがゆえに、海外展開はほぼ不可能ですし、ビジネスとして生き残ることは難しいでしょう」(米山氏)
すでに視聴率低迷に苦しんでいるテレビ局も、危機的な状況を迎える。民放各社は人口減少により広告料収入が激減し、番組制作が立ち行かなくなってしまう。行き着く先では、民放はおろかNHKすら消滅する日がやってくる。先月、NHKの'13年度受信料収入が42億円減だったことが発表されたが、これから迎える人口減少社会の中、NHKも、それとは比較にならない深いダメージを受ける。広告費もない、受信料もないでは、まともに番組も作れない。日本からテレビ局がなくなる日も近い。
人もモノも、すべてが目の前から消え去り、どこにも逃げ場がなくなる。これから日本が迎えるのは、未曽有の「不毛社会」なのだ。
 via http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39659





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